呪術廻戦OPの廻廻奇譚かっこいいよねー
もう変わったけどなー
ところで呪術ってなんだ?
あらためて聞かれるとちょっと難しいなー
呪術って何?
実は井神、漫画のネタになるかなとゴールデンドーンの魔術書(日本語版)を図書館から借りて(なんでそんなものがあったんだろう……)読んだり、アレイスター・クロウリーの法の書を買ってみたりしたことがあります。
タロットをかじってみたり、カバラ十字を理解しようとしてみたり、スピコンに行ってみたり、レイキのアチューンメントを受けてみたりと、興味本位からのなんちゃってオカルティストな一面もあります。
さて本題、呪術って何でしょう。
一般的なイメージとしては、なんか呪文を唱えたり藁人形に釘を打ち込んだりして、人に悪い影響を与えるモノでしょうか?
とりあえず辞書で呪術って言葉を調べてみました。
超自然的、神秘的なものの力を借りて、望む事柄を起こさせること。
呪術とは人類学や神秘学の言葉で、ファンタジーに出てくる魔法や魔術も含まれます。
超自然的っていうのは、自然界の法則を超えてるようなこと。
自然界の法則を超える神秘的な存在といえば、主に神様や精霊や天使や悪魔。
日本では八百万の神々や仏などが超自然的な存在です。
そういった超自然的存在の力を借りる、つまり神様仏様~って頼んで願いを叶えてもらおうとするのが呪術ってことになります。
呪い(まじない)
こういうと呪術にはマイナスなイメージが強いので、神様や仏様に頼むのはちょっと違うという感じがします。
ですが「呪」という言葉は元々「祝」と同じような意味で、祭壇の前で神に祈りを捧げる人のことであり、神様仏様を拝み願うことは、この元々の意味の方の「呪」術です。
そういわれても現在では、幸福を願うことが「祝」不幸を願うことが「呪」と使いわけられており、そのイメージに慣れてしまっているのでちょっと違和感がありますけどね。
共感呪術
このような呪術を含め、原始宗教や儀礼・神話・習慣を研究した文化人類学者ジェームズ・フレイザーさんは、呪術を大きく2つの法則にわけて定義してます。
類似した者同士は互いに影響しあう「類感呪術」と、一度接触したものや元はひとつだったものは、遠く離れてもお互いに作用する「感染呪術」です。
この2種類の呪術をまとめて共感呪術といいます。
共感呪術では必ずしも、超自然的な存在に力を借りる必要はないようです。
類感呪術
類感呪術とは、似たような物はお互いに影響し合うという発想の呪術です。
類似の法則とも言います。
仏像に真言を唱え願いを叶えてもらう護摩祈祷や、藁人形を用いる丑の刻参りなどはこの類似の法則です。
さらに藁人形には呪いたい相手の爪や髪などを入れる接触の法則も使われ強力と言われています。
感染呪術
感染呪術とは、接触したもの、または元はひとつだったものはどんなに離れても影響し合うという発想の呪術です。
接触の法則とも言います。
先程の丑の刻参りにできてきた髪や爪は、離れていても元の持ち主に影響を与えることができるという考えです。
他にも、形代で身体をこすり息をふきかけて川に流せば、身体も川に洗われ綺麗になる(悪いものが落ちる)というように考えます。
日本で有名な呪術一覧
具体的な呪術の例も見てみましょう。
呪術師とその代表的な呪術と説明をざっくりまとめてみました。
呪禁師
中国の道教の影響を受けてうまれた、昔の医者的な人。
病気の原因になる邪気を払う治療などを主に行った。
日本書紀に載ってる日本最古の呪術師。
代表的な呪術は、犬神、蠱毒、猫鬼など。
陰陽師(陰陽道)
中国の陰陽五行思想に天文学、暦学、易学(占い)、時計(時刻の計測管理)などの学問「陰陽道」を修めた人。
こちらも道教の影響を受けており、呪禁師的な呪術もできる。
陰陽師自体は職業であり、陰陽師の知識を持って在野で儀式や芸能を行った声聞師や、民間信仰になったいざなぎ流なども陰陽師の仲間だと井神は思っています。
安倍晴明が有名。
代表的な呪術は、式神、九字、呪符や霊符といった呪具も作る。
神職(神道)
神道、神社で神に奉仕し祭儀や社務を行う人。
神和ともいい、男性は「覡」、女性は「巫」。
神に奉納する神楽などを踊ったり、占いをしたり、祈祷したりする。
代表的な呪術は、神を身体に降ろす神降ろし、神がかって神の言葉を伝える口寄せ、神様に人のお願いを伝える祈祷、祝詞や、邪気を祓うお祓い、神様の力を頂いたお守りなどの呪具作成。
丑の刻参りで、神社の御神木に釘を打ち込んだりするみたいだけど、木が枯れてしまうのでやめましょう。
お願いは絵馬に書いて、神職から神様に祝詞で伝えてもらいましょう。
山伏(修験道)
山岳信仰を元に山で修行し山の持つ自然の霊力身につけた人。
加持祈祷を頼まれ、九字を切ったり、印をもちいたり、ダーラニーを唱えたりと、密教と陰陽道のハイブリッドみたいな感じ。
開祖、役小角の前鬼、後鬼の伝説が有名で、鬼神童子ゼンキという漫画にもなっている。
代表的な呪術は、加持祈祷、お祓い、悪鬼調伏(悪いものを呪いの力で倒す)、飯綱の法など。
仏教(密教)
三密(身密・口密・意密)を持って仏に成る人。
身密は印、口密は真言、意密は曼荼羅瞑想のこと。
仏の行いを真似、仏のように振る舞うことで仏に近づき成ろうとする。
漫画、孔雀王は高野山真言宗の裏と言われる裏高野の密教僧。
代表的な呪術は、加持祈祷、即身仏など。
道士(道教)
中国の三大宗教のひとつで、道を求め一つになろうとする人。
道とは宇宙と人生の根源的な不滅の真理を指し、具体的には言葉では言い表せないとされている。
錬丹術を用いて不老不死の仙人になり、さらなる道を学ぶ機会を増やし、道と一体になろうとする。
陰陽師の陰陽五行思想もこの道教が元。
キョンシー映画で有名になった。
代表的な呪術は、錬丹術、風水、符術まど。
まとめ
日本で有名なものだけなのに意外と長くなってしまいました。
もちろん上にあげたモノ以外にも呪術はたくさんあります。
西洋では魔女術や儀式魔術やカバラ、インドのバラモン教のアタルヴァ・ヴェーダ、アフリカのブードゥー教、メキシコのアステカ文明、アメリカのネイティブアメリカンの各部族に伝わる呪術もきっとあるでしょう。
世界中、人が文化を持って暮らしていれば、呪術は存在するんじゃないでしょうか。
広い意味で言えば、小学生くらいのおんなのこがやるおまじないも呪術ですし、ちょっとしたジンクスなんかも呪術です。
いろんな国でも似たような呪術があることから、人間の脳の認識の癖の一つ何じゃないかな?なんて、井神は思います。