アンドロイドの作り方
赤いライトに照らされたプールに軽量超硬アルミ合金の骨格が沈められていく。 首の後ろからは何十本ものコードが飛び出し、その信号が映し出されたモニターでは、目視不可能な速度で数字が変化している。 「神経系は全て骨格に内蔵されている為、フェイズ1で、いきなり補助筋肉を合成します。この点が義体とアンドロイドの構築で一番異なる点です」 白衣に身を包んだ女性が、モニターを注視しながら説明する。彼女もアンドロイドであり、ワイヤレスでこの構築マシンを制御している。 今日は、メタヒューマンインダストリアルコーポレーションのアンドロイド構築見学会。 将来を担うエンジニアの卵達が、わいわいざわざわとしながらも最先端技術に感嘆のため息を漏らしている。 パチパチと小さな火花を上げながら、プールと骨格に電流が流れ始めフェイズ1の工程がスタートした。 電子を追いかけるようにナノマシンが並び、プールに溶け込んだタンパク質を使って腱を合成する。 腱が完成すると電流が止まり、骨格からのパルス信号を頼りにナノマシンが誘導され、腱の終端が骨と結合された。 続いて腱をガイドに筋肉が合成されていく。 合成速度は[続]>